2017/09/13(水) 漫画紹介② 友達ができたよ。『月曜日の友達』/阿部共実

もはよう。ベンプです。

ほぼ一ヶ月ぶりやね。

 

今回は漫画紹介です。

ビッグコミックスピリッツ阿部共実さんが連載されている『月曜日の友達』です。

僕は阿部共実さんの作風・絵柄・言葉のセンスなどが週刊少年チャンピオンで3週の短期連載である「空が灰色だから手をつなごう」を読んだ時からハチャメチャに気に入っています。

その後めでたく週刊連載となった「空が灰色だから」が唐突に連載終了した時、マジで膝から崩れ落ちました。毎週週刊少年チャンピオンの発売日である木曜日を楽しみにしていたので。

時は流れ、2014年に発売されました同作者の「ちーちゃんはちょっと足りない」が文化庁のマンガメディア祭新人賞を取ったり、「このマンガがすごい!」とかいうクソランキングで一位を取ってしまったりしました。その時、私は「ああまた初期から応援してた漫画家が遠くに行ってしまう…」という「何様だお前」みたいな感覚を抱いたものです。

 

さて、空が灰色だからちーちゃんはちょっと足りないを読んでなくてこのブログを読んでる方に(早くマンガ買って読め)軽く説明すると、この作者「阿部共実」の作風はどんな感じなのか?

簡単にいうと「可愛いデフォルメ絵で思春期特有の生々しい感情の繊細さを描く」といった作風です。

その感情がとてつもないバッドエンドを導くかと思いきや、まぁまぁなハッピーエンドになったりもします。「空が灰色だから」は長編ではなく、短編が連なるオムニバス形式のマンガなので、この「少女たちの繊細な感情がどういう結末を迎えるのかわからない」って感じはそちらでいくらでも経験できます。「ちーちゃんはちょっと足りない」でもいきなり地獄の釜の蓋が開きますしね。

 

さて、今回の「月曜日の友達」はどういうストーリーなのか?

僕が読んで意外に思ったのが非常に王道なガールミーツボーイものだということです。

中学生。みんながどんどん大人になりつつある「思春期」。そんな時に小学校から中学校に上がったばかりでまわりの変化に少しおいてけぼりをくらっている女の子「水谷茜」が月曜日の夜、学校の校庭で超能力の練習をする同級生「月野透」に出会い、それから二人はまた次の月曜の夜、校庭で会う約束をする…

 

といったようなあらすじです。

 

まずこの漫画のすごいところは「描写の繊細さ」にあります。

「もう中学生なんだから」といったお仕着せがましいセリフが作中に何度か登場しますが、そういったセリフを押し付けられて反発するような、思春期特有の繊細な感情の描写が随所で光ります。この表現は阿部共実にしかできない!と断言できるほど。

いろいろと絶賛したいのですが、言葉で表現するのは難しいところがとても多いです。ストーリーも十分魅力的なのですが、この「ガールミーツボーイの王道ストーリー」が「阿部共実の表現力・描写力」によって輝きを増しているところにこの漫画の価値があります。

 

こう、自分の貧相な文章力でなんやかんや言ってもレビューになんないので僕がスゲってなってツイッターにあげた写真を見てください。

 

すごない?

1コマ1コマのストーリーの進行、間のとり方、セリフのコマ割り、完璧です。僕はこのページを読んでて、二人の間に流れる時間や息遣いまではっきりと感じました。

こういうシーンが、「月曜日の友達」だけでなく阿部共実作品には多く見られます。なんていうか結構漫画を読んできましたが常識を超えてくるんですよね。表現の限界ギリギリをいつも見せてくれます。漫画の魅せ方というものだけで「うわすっげぇ…」と感嘆の声が出てしまう、そういった漫画家さんです。

どちらかというとかなりキワモノ・ゲテモノ寄りの漫画家さんなんですが(空が灰色だからを読めばわかります)、デフォルメされた可愛いキャラに似合わず表現力・描写力が本当に高い漫画家さんです。その片鱗は十分この「月曜日の友達」を読めば感じれます。

 

 

僕の文章力が貧しく、これ以上の魅力を伝えるに有効な紹介ができないのでここでオワリます。多分、物足りないくらいがちょうどいい…のかな?

それじゃね。